浜野まゆみ 薄瑠璃白梅猪口

口径58mm 高70mm
浜野さんの梅の柄を見ると花柳章太郎の女形がなぜか思い起こされます(なぜか、じゃないんだ『湯島の白梅』を連想しているから、なのですが)。不思議なのは他の梅では花柳章太郎が浮かんでこない、浮かぶのは浜野さんの梅限定ということです。以前、Eテレだったと思いますが、新派の歴史を紹介する番組の中で花柳章太郎の舞台を映したフィルムが数分流れたのですが、まあ衝撃的でした。新派の女形は歌舞伎の女形と演技も発声も全然違うのです。女でも男でもない『女形』という特殊な役を演じている、不思議な妖しさが充ちていました(柄本明がコントで演じる芸者が花柳章太郎のパロディーだと分かったのもそのとき)。花柳章太郎が評価されたのはその美形だけでなく、溝口健二監督の『残菊物語』で二代目尾上菊之助を演じる、というような専門外の難役をこなす抜群の演技力があったからだと言われています。そうそう、女形といえば吉沢亮が歌舞伎の女形を演じる映画『国宝』が中々の出来だと神田伯山がラジオで喋っていました。吉沢亮の、役への打ち込み方が物凄いそうです。
猪口のことも少々、この梅は輪郭線がありません。梅の花のかたちにマスキングして薄瑠璃釉を掛け、その後マスキングを剥して雄しべを描き込み、透明釉を花の上に施釉した後に焼成するそうです。見た目以上に手間がかかっていますが、そのおかげで薄瑠璃の中にフワッと梅が浮かぶ柔らかな視覚効果が生まれています。『朦朧体(もうろうたい)』の絵付け、とでも申しましょうか。
販売価格 22,000円(税2,000円)

作家から探す

グループから探す

コンテンツ

ショップについて

関口幸治

店長の関口です。 Web Shop草堂は浜野まゆみ(磁器)、ハラダマホ(練り上げ)、イシバシミキコ(絵ハガキ、手ぬぐい)、石畑哲雄(漆器)、シマムラヒカリ(象嵌)など個性的で魅力ある作品を紹介しています。どうぞ、ご覧ください!