口径58mm 高70mm
掛分けされた薄瑠璃釉と素地の白色が背景の、薄暮に咲く梅花の景色にも見えます。昭和30年代の居間の襖のような雰囲気もあります。梅の花の輪郭と雄しべが赤絵具で描かれているので紅梅かもしれません。
今回入荷した猪口(ぐい呑み)は3つとも輪花形で、花のかたちに一旦マスキング→施釉する→マスキングを剥がす→花を描き込む→透明釉を掛ける、という技法も一緒なので三姉妹のように見えます。というと谷崎潤一郎の『細雪』の世界が浮かんできますが、その見立てもそんなに遠くない気がします(あれは四姉妹だった……)。似ているけれど夫々が個性的な魅力を放っています。