口径115mm 高50mm
以前に紹介した百合形の白磁小向付を大きくしたうつわです。小向は口径が90mm、高さ43mmだったのでそれより一回りちょっと大きい印象です。ピリッとした造形で実物の百合を思わせますが、モデルになっているのは佐賀県有田町の山や野原、人家の庭にも普通に咲いている、テッポウユリに似た小型の百合です。花びらのかたち大きさが、うつわそっくりで花弁の先が丸くなった形状など「ここまで真似するか!?」(浜野談)と驚くほどのリアリズム(ちなみに有田町の百間窯跡から陶片が出土しています)。こういうことに気づくのも、浜野さんが窯業地で制作をしている大きな理由でしょう。もの作りに強く反映しているだろうと思います。
「造形もそうですが、もっとすっきりした白を出したい」と浜野さんは言っていましたが、すっきりしていながら柔らかさも感じられる、本物の百合のように仕上がっています。