口径103ｍｍ　高68ｍｍ
薄瑠璃釉のかかった桔梗形の筒形向付けです。ロクロ挽きした筒形の素地を型打ち成形しました。ロクロは作者の手によるものです。陶土も成形方法も百合形向付けと違うので、実物を比べて見ると画像以上に違う雰囲気です。生の素地をカンナで削ったときに生まれた長石の跡が景色になっています。
浜野さんは桔梗、朝顔、くちなし、百合などいろいろな花をモチーフにうつわを作っていますが、どれもが陶土や釉薬など素材の特徴を活かした表情ゆたかな花の表現になっていると思います。
「実は、土は自分がなりたい物の手段として、人を選んでいるのではないでしょうか」と陶土を擬人化した言い回しで、浜野さんが先日話していました。用途の適不適はあるものの、素材自体に良し悪しという上下はないということでしょうか。成形から焼成まで、土や釉薬のよさを最も活かせる作り方を、唐津に移り住んでますます考えるようになったとのことです。