135×135mm 高32mm
陽刻の作品は実物の良さが画像では伝わりにくく、撮影者泣かせです。同じ『伝わりにくい』でも猪目文湯呑で伝わりにくいのはド迫力ですが、この四弁皿は加飾(陽刻)も釉薬の色も穏やかで、静けさというか深さというか魅力が奥の方に潜んでいるので、今回入荷した猪目文とか色絵とかに比べるとアピール度という点では不利です。陽刻皿をウェブショップに掲載するたび同じことをいつも言っている気もしますが、「実物は写真よりずっといい」これは自信を持って(?)言えます。
四弁のかたちは、今を盛りに咲く紫陽花を思わせます。鉄絵具で縁取る『口紅』が輪花をよりリズミカルに見せます。陽刻は見込みだけでなく、うつわの内面全体に入っています。描線の細さと釉薬の溶け具合が相俟って味わい深い、いつもの浜野さんの陽刻です。うつわの形状としては、かなり深さがあるので汁気の多い料理にも対応します。